アニメの作り方も変わっていく。テレビだけではない配信の世界
そもそも、書き手のみを作り手として、アニメは絵を書けてなんぼなんて考え方はもう通用しなくて、アニメに関わる仕事って意味では上流工程である、制作ってことが重要視されているのかも。
海外なんかでは、映画の作り方でよくあるのはスタジオを作って実績を積んだらそれを売却して、その売却益で次の作品を作るってモデルも一般的だし、CGなどに金がかかる場合は、一回毎に烏合衆参するかのようにスタジオは作っては解散してというのが当たり前にもなっている。
映像プロダクションもそうで、フィルムの権利とかまで売っているかはわからないけど、配給という面で考えたら既に世界で1位になっている中国の映画館を押さえるために映像プロダクションスタジオを中国に売却して、配給の道としている場合だってある。
ボリウッドと言われている映画が産業として成り立っているインドだって、映画館の館数はかなりのもの。
日本国内で売っているだけでは、MAX数億から数十億の売り上げしか上げられないマーケットサイズをかんがえれば日本だけを対象としたアニメを作っていても、今後はシュリンクしていくだけなので、それをIP化して活かしていくためには他資本の配下に入って潤沢な予算を獲得してユニバース戦略をとれる作品群を持てる方が今後は優位になっていくだろう。
出版だって、漫画が作品数が無尽蔵のように増えてはなくなり、ラノベだって同じで作品が生まれてはなくなりという国内のテスト販売モデルにしてニーズを探り、作品化にまでたどり着くような作品にできるのか?といったことを考えれば、出版が先細っている現在では、大きなヒット作を今までのように生み出すことは難しい。
それだってヒットしたと言っても日本だけでのヒットなので、大きなスケールで話を展開していけるか?と言う事を考えると、どうなんだろう。
なんてことを考えていたら、プロダクションIGとボンズがNetFlixの傘下に入ったそうな。
世界最大級のオンラインエンターテインメントサービスを提供するNetflix(本社:米国カリフォルニア州ロス・ガトス)の日本法人Netflix株式会社(本社:東京都港区)は本日、日本のアニメプロダクションの株式会社プロダクション・アイジー(本社:東京都武蔵野市、以下:I.G)および株式会社ボンズ(本社:東京都杉並区、以下:bones)とアニメ作品における包括的業務提携を結ぶと発表しました。
本提携により、NetflixはI.G社、bones社の両社とそれぞれにアニメエピソードを共同で制作、Netflix上で全世界190カ国に配信する予定です。また、I.Gの包括的業務提携の中にはI.Gのグループ会社である株式会社ウィットスタジオも含まれます。制作される作品の詳細は追って決定されます。



Netflix、日本のアニメプロダクション最大手たちと提携! – (c) Netflix. All Rights Reserved.
これは、昨今起こっている業界再編の一環なのかもしれないけど、今までのように独立系の作品でテレビ局資本などで作っていても円盤主体のビジネスモデルから脱却出来ない状態でいた既存の製作委員会の仕組みだと制作会社周りにまでお金を落としていくことは難しい。
そこを一足飛びに脱却するためには、NetFlixのような配給ラインと手を組んで世界での認知度をより上げる方が資本投下なども受けやすくなるんだろうね。
IGなどは昔から海外の資本が買収したいなんてオファーがあったようだし、ボンズもそうした話はあったのかも。
NetFlixのアニメ部門なんかは、日本の製作周りにいた人がたくさんいるみたいだし、そうした人が作品選定とかをおこなって世界に打ち出す時の舵取りをしているのかも。
今年の頭に話題になったデビルマンなども、デビルマンというキリスト教由来の作品だけど、もっと多様な宗教観で作り直されている作品になっていることを考えるとかなり日本風だしね。
永井豪はそういった意味では、デビルマンでキリスト教、マジンガーZでギリシャ神話をやっていたりすることを鑑みると、それを平気で受け入れて見ている日本という国は不思議な国って気もする。
まあ、ハリウッドでも最近はギリシャ神話系の話も映画化されていたわけだし、ディズニーの作品群なんて軒並みヨーロッパの童話が元ネタなんだから、日本のアニメなどもディズニーのようなブランド力を持てればIPとしてもっと強力になる気がする。
そうした意味で、作品を回転させて年に1本作れるラインを複数本持って企画をしていければ、日本発のアニメで世界に下請け制作ラインを作ってもコントロールしていけるだろうし、国内の制作会社にも仕事を振っていける。
だから、プロダクションIGやボンズといったブランド力のあるスタジオは、NetFlixのようなグローバルラインに乗っかるのはよい選択なのかもしれない。
その先鞭をつけたポリゴンピクチャアズとかは勇気があったのかもね。
この本からもまた、時代が流れている。
Netflix、2017年を振り返るランキングを発表
ってのも改めて見返してみたけど
