漫画が電子書籍の方が売上あがったのは問題なの?
この辺りの話って、いつの時代でも旧態依然の販売方法でピンチだ! 困った!といった話が出てくるけど、それは海賊版などのせいといった話とかではなく単純に市場がそちらに移動してしまったと言う話なんだろうね。

コミック市場全体(コミックス+コミック誌)で見ると確かに、15年連続で下がっているという構造になっているけどコミック自体は94年からずっと水平推移してきて、14年あたりから下落に転じている。
これは、取次のルートでの実態だから、現物(紙)の書籍の話なんだろう。
確かに、これは大変だーという話はわかる。
漫画雑誌は確かに売れなくなっている。その代わり、電子書籍としてのアプリなどから見る傾向なども高まっているという面もあるのだろう。
電子と紙の比較

これって、実際には出版系が電子書籍元年から電子化を続けてきた成果が出てきたと言う事なんだろうと思う。
それを今のままではコミックスの新刊が売れなくなるといった話とかを編集さんがしていたり、セールが出来ない新刊が売れなくては作品を刊行できなくなるという風に嘆いているけど、そうではなく、もっと大胆に構造を変えなくてはならないと認識をした方が良い気がする。
今までの売り方や流通では駄目で、どのくらいのパイを作品で取りたいのか?ファンがつけば売れるというものではなく、確実に購入してくれる人を増やすといったケーススタディを作らなくてはならい。
昔は、それこそ、紙の本でも出版をしたらサイン会を催したり、全国の書店巡りを行ったりしていたわけで、その中から売るという機会をどれだけ作るのかというマーケティングの再考というものも必要になってくる。
CDが売れなくなったアーティストはどうしたのか?
前例としてよく取り上げられるのは、歌手のCD販売をダウンロードに以降していく課程とリンクさせる語り方。
作家だっていわゆるアーティストであって、漫画だけを書いていて売れるのか?ということもある。
そのためのアニメ化だったりもするわけで、メディアミックスとして漫画、アニメ、映画といった他面展開をしてきたけど、それはあくまで作品の範囲を出ない展開方法で、連載を続けていく中で確かに露出していくのは大変だけど、休息を取るだけではなく売るためのイベント参加や、露出をして作品を知ってもらうと共に作家を知ってもらうと言う事も必要なのかもしれない。
少しずつ、そうしたことをしている作家もいるわけで、それがSNS活動だけど、作品を売ると共に作家を売るということを指向して見るのも必要なのかもしれない。
発信力と言う資源を分散化させて、その看板としてのコミックス雑誌という意味での週刊誌は、そうした経路であって作家を売る場所として機能していたけど、その力が低下して行っている現在では、作家自体の発信力というものも大切になっている。
前に書いた記事で
ちょっと視点は違うけどという話で、これからは電子が標準で紙の付加価値が高まるように持って行かなくてはならないので、それこそ作家のタレント性などが高ければ、電子化したコミックスを購入してもサイン会には参加出来ないけど、紙のコミックスにはそうした参加権を付与すると言ったAKB商法を取り入れると言った、紙のコミックスのロイヤリティを高めるといったことも考えればいい。
AKB商法を批判したりするが、結局、ファンを作りそのファンのニーズをつかんで見事にビジネスとして確立させて、それをNMB、SKEやHKT、NGTといった派生をさせてマーケットを広げたり地域のニーズを掘り起こしたりしている。
別の切り口として、乃木坂や欅坂といった派生や、吉本坂といった亜流を作ってみたりレコード会社の垣根を越えたり、事務所の垣根を越えてマーケットを作り、人的資源を集中している。
もちろん、そうした潮流に乗らないラインというものもあっても良いが、海賊版に対抗するという意味で、出版社は電子の取り扱いを増やして、コミック雑誌にこだわらない垣根を越えたサービスを追求する必要がある。
今でもやっているかもしれないけど、どうにもバラバラ感があってそれだけでは足りないと言う実態がある。
刊行されるコミックス全てが売れるわけではないし、漫画家になったから全てが成功するわけではないので市場が変わっていく中で何を行っていくのかは売れている人の作品をフックにそれをボトムダウンさせて行くのが大切だ。
そうした意味では、アイドルグループはAKBグループといった大手になった存在のメジャーが開発した方法や、昔ながらの地回りをして名を売って存在を知らしめたももクロなどもそうだけど、地道な努力をしての今がある。
だから、新しい切り口として、今までの焼き直しを違った視点で見せる方法を考え出して実施していくのが大切なんだろうと思う。
そういった意味で座って、絵を描いて話を作っているだけでよいという時代はもうすぐ終わるのかもしれない。
これは、他の業界にも言えることだ。
小さな塊で、仕事を集中させてその資源を枯渇させるより集まって選択制を担保したまま、ファンを作っていく仕組み作りで、それをお客さんに評価して貰う取り組みというものが大切で、○○だけをしていればよいという時代ではないし、それを気づかせてくれる仕組みと言ったものが必須になってくる気がする。