「サイレン」はUnreal EngineでCGと現実の不気味の谷を乗り越える
リアル系のCGはどうしても人が見ると、どこかでリアルさを乗り越えられず気色の悪いCGとなってしまいますが、そうした不気味さを不気味の谷と言います。
不気味の谷現象(ぶきみのたにげんしょう)とは、美学・芸術・心理学・生態学・ロボット工学その他多くの分野で主張される、美と心と創作に関わる心理現象である。外見的写実に主眼を置いて描写された人間の像(立体像、平面像、電影の像などで、動作も対象とする)を、実際の人間(ヒト)が目にする時に、写実の精度が高まってゆく先のかなり高度なある一点において、好感とは正反対の違和感・恐怖感・嫌悪感・薄気味悪さ (uncanny) といった負の要素が観察者の感情に強く唐突に現れるというもので、共感度の理論上の放物線が断崖のように急降下する一点を谷に喩えて不気味の谷 (uncanny valley) という。不気味の谷理論とも。
元は、ロボットの人間に似せた造形に対する人間の感情的反応に関する理論として生まれたもので、狭義ではそれのみを指す。また、最広義では、高い知能を有する生物に認められる現象である可能性を無視しない(マカク属では証明されている)。
Epic Gamesという会社が何年もの間、リアルタイムのモーションキャプチャ技術の開発に取り組んできましたが、同社はこの技術を用いて実験をさらに進めようとしています。
Vicon、Cubic Motion、3Lateral、Tencent(Ubisoftの主要な投資家)と並んで、ゲーム業界で有名ないくつかの企業と一緒に創り上げたデジタル・パーソナリティー 「サイレン」。サイレンについての普通ではないことは、CGで描かれた女性が、実際の女性の動きに合わせて体や指の動き、表情をキャプチャしてUnreal Engineのプロジェクトにライブストリーミングできるようにするという、Viconのソフトウェアで動くLive mocap techを使って動作しています。
実際の動画から切り取って見てみると
つまり、「サイレン」という女性のCGはモーションキャプチャーにライブで合わせて合成されたアニメーションであり、その表情はまさに懸念されていた不気味の谷を見事に乗り越えている様に見える。
実際に、動画で見ることができるが、もうちょっとという感覚はあるが、それでも既存のCGなどと比べてライブでこれだけのリアルさを追求することができれば、実際に俳優がいなくてもCGのアニメーションで代替することが出来てしまう可能性がある。
何で、アジア系のCGなのかわからないけど、なんとなく印象が満島ひかりに似ているなとおもったけど。
タレントや俳優は言ってしまうと、その存在そのものが商品であり、どの映画だか忘れてしまったが、将来ハリウッドの女優、俳優は全てCGに置き換えられ、俳優たちは、その仕事をする契約をCGの肖像権を売るという契約に置き換えられるなんて映画もあり、年を経た女優が、その晩年でも、その死後も含めてCGでの出演契約をするというなんて内容でその契約にどう立ち向かうのか的な事をコメディタッチで描かれていたと思う。
なんという映画だったか忘れてしまった。
と思ったら「映画, CG, 女優, 契約」なんていう複合キーワードで出てきた。
「俳優をデジタルスキャンして、リアルなCGとして契約する」という設定が、近い将来ありそうな未来のハリウッド映画界を描いた映画『コングレクス未来学会議』は、アニメと実写、現実と虚構が入り混じる不思議なSF映画。
どういった活用法があるのか?
Unreal Engineなんでゲームとかにも活用されるだろうし、これからは俳優がCGにアテレコするのではなく、このモーションも撮るなんてことになると、アテレコではなくなんなんだろうな。
上記で紹介した作品は俳優だけの話だけど、AIにも代表されるように仕事を取って代わるなんて話もあって、ラジオのキャスターなどは実際にAmazon Pollyでニュースの読み上げを代替するラジオなどもあるわけだし、なれてくるとゆっくりエンジンだって捨てたものではなく、人の耳の補正能力というものは恐ろしい。
そうした中、ガラケー時代にはアバターとかがはやったが、そのアバターという意味では、生活の中でAIとかが浸透してきた時にパーソナルアシスタントというものが一般的になり、そのパーソナルアシスタントはAIで構成されていた容姿はCGで、その声はアーカイブ化された音声から好きなものを使用するなんて未来もあり得る。
商売を考えれば多様性で、そうしたものに対応する事をかんがえれば、声の仕事の分野の一つにもなり得るし、音声自体をアーカイブ化しておけば、資産として著作権のように権利収入になり得る。
なんて事まで想像してしまう映像、「サイレン」でした。